診療内容
にきび
どうしてにきびはできるのか
にきびは、性ホルモンの影響で皮脂腺が発達し、皮脂が多すぎたり、毛穴の出口がつまったりすることで、毛穴の外に皮脂が出られずにたまってしまうことから始まります。この状態を「コメド(面ぽう)」(白にきびや黒にきび)と呼びます。
コメド(面ぽう)の内側は、アクネ菌にとって発育に適した環境になっているので、コメド(面ぽう)の中で菌はどんどん増えていきます。増えすぎた菌に対抗するために免疫が働いて炎症を起こすから、にきびは赤く腫れあがっていきます。
正常な肌
にきび
にきびの種類
にきびの種類はその状態によりさまざまです。
にきびの状態によって治療方法も異なるため、悪化したり、にきび痕が残る前に皮膚科に相談しましょう。
炎症のないにきび
●マイクロコメド(微小面ぽう)
目に見えない段階。
毛穴の出口が狭くなり、皮脂がつまり始めている状態です。

●コメド(面ぽう)
[白にきび]
白にきびは、皮脂が毛穴につまった状態です。
ポツンとした小さな白い点に見えますが、見逃してしまう場合もあるかもしれません。
皮膚の内側では、毛包(もうほう)が広がるとともに、アクネ菌が増え始めます。

[黒にきび]
黒にきびは、白ニキビの毛穴が開き、メラニン色素や酸化された皮脂などによって黒く見える状態です。
シミや小さなホクロのように見えたり、不潔な印象を与えたりするため気になる人も多いです。

コメド(面ぽう)はにきびのはじまり・・・
コメドとは、にきびのはじまりである毛穴がつまった状態のことです。
毛穴がつまっているため、触ると肌がざらざらした感じがします。
コメドを放っておくと、「赤にきび」「黄にきび」が増えてしまう可能性があります。
炎症を起こしたにきび
●赤にきび
赤にきびは、白にきびが悪化し、炎症が起きた状態です。毛包(もうほう)では、増殖したアクネ菌が盛んに活動しています。炎症を引き起こすさまざまな物質が、つくられてしまいます。

●黄にきび
黄にきびは、赤にきびがさらに悪化し、炎症が激しくなった状態です。てっぺんに黄色い膿(うみ)が見えるため、黄にきびといわれたりします。
皮膚の内側では、アクネ菌が作った酵素が薄くなった毛包(もうほう)の壁を壊し、炎症を起こす物質が一気に毛包の外へ出てしまい、にきびの炎症がまわりに広がってしまいます。

にきび痕(あと)を残さないために皮膚科へ
にきびの炎症がひどくなったり、むりやり自分でつぶしたりすると、毛穴のまわりの組織も壊されてしまい、元に戻らずににきび痕(あと)として残ることがあります。
コメドの段階で治療ができるように!
皮膚科でのにきび治療は、この数年で大きく変化しました。
従来は、抗菌薬によりアクネ菌を抑える治療が主流で、炎症がおきたにきびしか治療できませんでした。
しかし最近では、塗り薬によってコメドの治療ができるようになりました。コメド治療をすることで、にきびのできにくい“つるっとした肌”に近づくことが期待できます。

にきびの治療
にきびをくり返さないためには、赤にきびとコメド(面ぽう)の両方にアプローチすることが大切です。
にきびの種類や状態はもちろん、体質や生活習慣、ライフスタイルによって治療方法は違ってきます。
●外用過酸化ベンゾイル製剤(塗り薬)
塗り薬を使用することで、にきびの原因菌が増えるのを抑え、毛穴のつまりやコメド(面ぽう)も改善します。
白にきび、黒にきびや赤にきびに効果が期待できます。
●外用レチノイド(塗り薬)
毛穴のつまりやコメド(面ぽう)を塗り薬を使用し、改善します。
にきびの前段階であるマイクロコメド(微小面ぽう)から白にきび、黒にきびや赤にきびに効果が期待できます。
●抗菌薬(塗り薬/飲み薬)
塗り薬と飲み薬があり、赤にきびに効果が期待できます。
●外用過酸化ベンゾイル+レチノイド配合剤(塗り薬)
過酸化ベンゾイルとレチノイドを配合した塗り薬です。
白にきび、黒にきびや赤にきびに効果が期待できます。
●外用過酸化ベンゾイル+抗菌薬配合剤(塗り薬)
過酸化ベンゾイルと抗菌薬を配合した塗り薬です。
白にきび、黒にきびや赤にきびに効果が期待できます。
●コメド(面ぽう)圧出
専用の器具を使って、毛穴からつまっている皮脂や角質などを取り除きます。
当院では積極的に処置を行っております。
●漢方薬(飲み薬)
目的に応じて色々な飲み薬を補助的に使用することがあります。
●外用イオウ製剤(塗り薬)
にきびに直接塗ることで、毛穴につまった角質をはがし、開きやすくします。
繰り返すにきびでお悩みの方は多いです。
一人で悩まず、皮膚科医にご相談ください。